『プラダを着た悪魔』を観るたびに、私は自分の働き方を考える。
こんにちは。WEBライター&デザイナーの〇〇です。
突然ですが、皆さんには“定期的に観返したくなる映画”ってありますか?
私にとってその一本が、『プラダを着た悪魔(The Devil Wears Prada)』です。
仕事に悩んだとき、価値観が揺らいだとき、「私はこのままでいいのかな」と思ったとき。なぜかふと観たくなってしまう作品です。
主人公のアンディは、ジャーナリスト志望の新人ライター。ファッションにはまったく興味がないのに、世界的なファッション誌『ランウェイ』の編集長、ミランダ・プリーストリーのアシスタントという華やかで過酷な仕事に就くことになります。
この映画は、一見すると「おしゃれでキラキラしたキャリア・ストーリー」に見えますが、実はとてもリアルな“働くこと”の映画です。
私がWEBライターとして働くようになってからは、特に共感するシーンが増えました。
まず、アンディが最初に味わうのが「理想と現実のギャップ」。
「私は文章を書きたくてこの世界に入ったのに、やってることは資料のコピーとコーヒーの買い出し…」
この気持ち、実は私もフリーランス初期に痛いほど経験しました。
WEBライターといえば「好きな場所で、好きな時間に、好きなテーマで執筆」――なんてイメージを持っていた私。
でも実際は、案件に応募しても返信がない、テストライティングで落ちる、書いても書いても単価が安くて生活できない…と、理想とはほど遠い日々でした。
それでも、「今目の前にある仕事をやりきることが、次に繋がるかもしれない」と信じて、地道に書き続けました。
アンディが“ファッションを武器に変える”ように、私も“文章力”を武器にできるよう、少しずつ実績を積んでいきました。
もうひとつ、この映画を観ていてハッとさせられるのが、「成功の定義」です。
アンディは一時期、“仕事がうまくいっている状態”を手にします。
ミランダの信頼を得て、ファッションのセンスも磨かれ、周囲から一目置かれるようになる。
でも同時に、彼女は恋人や友人との関係がすれ違い、自分の価値観が揺らいでいきます。
WEBライターとして独立してからも、私には同じような葛藤がありました。
書けるジャンルが増えて、報酬も上がってきた頃、逆に「何のために書いてるんだっけ?」と、自分の軸を見失いそうになることがありました。
特に、ただ検索上位を狙うためだけの「無機質な記事」ばかり書いていたとき、自分の中でモヤモヤがたまっていきました。
そのとき思い出したのが、映画終盤のアンディの選択。
華やかで憧れられる世界を捨ててでも、「自分が本当に書きたいもの」「信じたい価値観」を大事にする姿勢に、私は大きく背中を押されました。
この映画のすごいところは、ミランダを「悪役」にしないことだと思っています。
たしかに彼女は冷たくて厳しい。でも、あれだけの結果を出すために、自分の人生を捧げてきた人。
アンディが尊敬と距離の両方を感じるように、私も「自分はどう働きたいのか」を何度も考えるきっかけをもらいました。
フリーランスは自由な反面、自分で“働き方”や“価値観”を決めなければいけません。
たとえば、
・お金を優先するのか?
・やりがいを優先するのか?
・どれだけの時間働くのか?
・誰のために文章を書くのか?
映画の中で、ミランダは言います。
「誰にでもできる仕事だと思っているの?」
――このセリフは、私にとって「プロとしての自覚」を突きつけられたような気がしました。
今の私は、あの頃のアンディのように“世界を変える記事”は書いていないかもしれません。
でも、「誰かが検索したときに役立つ」「自分の言葉で不安を和らげられる」そんな記事を、日々丁寧に書いています。
大きな華やかさはないけれど、自分のペースで、自分の信じるものを言葉にできる今の働き方が、私はけっこう気に入っています。
『プラダを着た悪魔』は、観るたびに気づきが変わる映画です。
駆け出しの頃は「アンディがんばれ」だったけれど、今はミランダの孤独も、ナイジェルのプロ魂も、心に刺さるようになりました。
働くって、ただ生活のためじゃない。
でも、夢だけじゃ続かない。
その狭間で、私たちは悩みながら、自分の道を探しているのかもしれません。
だからこそ、たまには立ち止まって、映画の中の誰かの姿を借りて、自分に問いかけてみるのも悪くない。
「私は、何のために書いてる?」
そんな問いをくれるこの映画に、感謝しながら、また一文字ずつ進んでいこうと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
これからも“好きな映画”と“仕事のリアル”を絡めながら、言葉を届けていきたいと思います。
また次回も、よろしくお願いします◎